TPP交渉の最大の問題はその交渉内容が公表されないことである事を知っている人は少ないと思う。
なぜ交渉内容が公表されないのか。 それはその内容が公表されればそれぞれの国民がみずからの利益を奪われる事を知って怒り出すからだ。交渉が中止に追い込まれかねないからだ。
そしてTPP協定の危険性の最大のものは、企業が国を相手取って訴訟を起こせるといういわゆる悪名高いISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項)が盛り込まれている事にある。
このTPP協定の秘密性と危険性をいち早く見抜いて告発したのが米国の市民団体であったということは何と言う皮肉だろうか。
私は読者の一人からの情報提供で以下のようなサイトの存在を知った。
まずこれを黙ってみていただきたい。
:www.youtube.com/watch?v=HLVKAalmD48
米国市民団体『パブリック・シチズン』がTPPの危険を暴露。
この動画はアメリカ人にもTPPの理不尽さに大いなる危機感を抱いて訴えている人々がいることを示すが、重要な内容がコンパクトに分かりやすく説明されていて、相当な訴求力がある。日本人の控え目な表現とは違い、アメリカ人は直截に物を語るからかなり分かりやすい。動画では、TPP草案のリークが教えるところによれば、TPPとは1%が大多数の人々の生存権を奪うツールであると、市民団体「パブリック・シチズン」のロリ・ウォラック女史が怒りを込めて語っている。女史によれば、TPPのリーク・ドキュメントを見ると、表向きは貿易協定になっているが、実質は企業による世界統治であると喝破している。加盟国には例外なくすべての規定が適用され、国内法も規制も行政手続きもTPPに合わせなければならない。
全26章のうち貿易関連は2章だけであり、他はすべて企業にのみ特権を与え、各国政府の権限を奪うものであると言っている。約600人の企業顧問はTPPにアクセスできるのに、米国の議員はそれができない。内容がひどいだけではなく、冒頭に書いたように1%がわれわれの生存権を奪うツールであるとも言っている。600人の企業顧問には草案へのアクセス権を与えながら、上院貿易委員会のワイデン委員長はカヤの外に置かれている。実に見事なトロイの木馬であり、通りのいい看板の裏で表に出せない内容を仕込む。
製薬大手の特許権を拡大する条項も入手した。これは医薬品価格を急騰させる。TPPはドラキュラであり、陽に当てれば退治できる。米国やすべての交渉国で反対運動が起きる。女史は民主主義と説明責任に反する企業権利の世界的強制など、私たちは許さないと語る。米国通商代表部(USTR)から(この番組に)届けられたコメントでは、十分な透明性を持ち説明責任を果たしていると書いてあるが、これに対しロリ女史は、説明会で意見を言うことはできるが、環境、消費者、労働者など、公益団体による意見は何一つ草案には反映されていないという。
1990年代のFTAA(米州自由貿易協定)では、2年かけて34カ国が協議し、全草案が各国で公開された。ところがTPP交渉は3年目になるが一行たりとも公開されていない。おまけに締結後4年間は非公開という密約もあった。カーク通商代表(USTR)に「なぜ公開しないのか?」と聞いたら、彼の答えは「FTAA交渉では公開したら暗礁に乗り上げていた」と言ったそうだ。以上、動画に出ている内容の一部分を書いたが、皆さんも15分ちょっとの時間なので是非ともご覧になっていただきたい。これほど短時間でTPPの本質的な概要を説明したものは他に類例がない。
ロリ女史は「TPPは強制力のある世界統治体制に移行する恐れがあります。」と断言していることは本質を衝いている。この動画を見て、TPPに賛成する日本の知識人や政治家が、どれほど野蛮で愚劣極まる盲目性を露呈しているか目に余るものがある。「美しい国へ」とか「強い国家・国防」を唱える安倍晋三首相は、コーポラティズムの猛悪な世界支配に対して、何の危機感もないばかりか、米国金融マフィアに対する一層の隷属体制を取ろうと必死になっている。この動画を見ると、米国の一般市民と米国政府の感覚が如何にかけ離れたものであるかがよく分かる。
TPPについては「マスコミに載らない海外記事」様の、2012年8月26日の記事、「TPPは貿易協定の衣を着た企業による世界支配の道具Democracy Now!書き起こし」がとても詳しい。
ここで流されている米国の報道録画は衝撃的だ。
この録画を日本の国民が知ったらTPP協定などとんでもないという事になる。
これまでの国内の議論がすべて吹っ飛ぶ事になる。
なにしろオバマ政権そのものが米国議会に隠してTPP交渉を進めていたからだ。 ひょっとして米国議会はオバマ大統領にTPP交渉の交渉権を剥奪するかも知れない。
ただでさえオバマ政権と議会は財政削減などで緊張関係にある。
もし議会がオバマ大統領にTPPのさらなる交渉を許すとすれば、他国との交渉で徹底的に米国企業と米国民の利益を確保することを命じる時だ。
しかし米国がそのような態度でTPP交渉に応じるなら、そしてその事を各国の国民が知る事になれば、各国政府はそんな米国の交渉を許すはずはない。
だから各国の政府もまた、自らの国民に隠して米国とTPP交渉を行なって来たに違いない。
米国と結託して国民を裏切ってきたのだ。
しかし情報は必ず漏れる。
各国の政府はみずからの国民の突き上げを食らって米国との交渉で抵抗を示すしかない。
オバマ政権が10カ国とのTPP協定交渉に手間取っている理由はここにある。
そんなTPP交渉に、国民を欺いて参加する事を宣言する安倍首相は、この映像が全国の国民の知るところになれば、売国奴呼ばわりされるだろう。
何が「日本を取り戻すか」だ、「日本を売り渡す」だろう、と反発をくらう。
一つのユーチューブの画像が野田政権を倒した例を我々は知っている。
あの公約違反はしませんと叫んだ選挙前の野田演説だ。
それを繰り返し流された野田首相は、その公約を破って消費税増税に突き進んだ事によって自滅した。
この映像が繰り返しユーチューブで流されたら安倍首相は窮地に立たされることになる。
TPPに反対する国会議員はこの映像を国会で取り上げろ。
日本のメディアはもはや嘘を言い続けて安倍政権を擁護する事はできない。
そんな事をすればメディアもまた売国奴呼ばわりされることになる。
米国の市民団体が告発したTPP秘密交渉を報じたこのユーチューブの画像が安倍自民党政権を倒す事になるかも知れない予感がする。
米国市民団体がTPP秘密交渉を
告発した驚愕の報道内容(続)
私が表記のメルマガを配信したのは3月2日だった。同時に私は同じ内容を自らのブログでも書いて情報の拡散につとめた。
その後の反応は驚くべきものであった。
多くの読者から関連情報が寄せられた。
その結果この映像はニューヨークの独立放送局Democracy
Now!が昨年
6月に配信したものでありその日本語版
(http://democracynow.jp/video/20120614-2)からの引用であることなどが分かった。
私が驚いたのはこの放映が米国で昨年の6月に流されていたにも関わらずその米国で大手メディアが一切これを流さなかったという事だ。
それどころかその映像が早々と削除されていたらしい。
どうやらこの映像は米国政府にとって極めて都合の悪いものに違いない。
そして米国は日本以上に情報統制が徹底している国ということだ。
これでは日本で拡散しなかったのは当然である。
実際のところ私に届いた反響のほとんどが驚いた、知らなかったというものだった。
インターネットを駆使している読者でさえこの映像の存在を知らずにそれを驚いている。
一般国民は誰も知らないのではないかと思った。
この映像はTPPを取り進めようとする者たちにとってはよほど都合の悪いものに違いない。
ということはこの内容をどんどんと拡散すればいいということだ。
デモクラシイ・ナウのような放送局は弾圧のターゲットになるかもしれない。
しかし不特定多数のネットユーザーがユーチューブ上で流す事は誰も規制できない。
削除しても削除してもよみがえってくる。
おりしも米国と10カ国のTPP交渉が再開されるらしい。
この映像がこれら参加国の国民に知れたらTPP交渉そのものが頓挫するのかもしれない。
政府やメディアの流す御用情報を素直に信じる善良な国民も、この動画を見てTPPの真実を知り、そして目が覚めるかもしれない。
なによりもTPPに反対する多くの自民党の愛国・保守主義者たちが騒ぎ出すだろう。
たちどころに安倍自民党総裁は行き詰まるのではないか。
情報公開が如何に重要であるかということだ。
私が繰り返し強調してきた「凡百の評論や解説よりも一つの真実が世の中を変える」という教訓の典型例である(了)。
「聖域なき関税化」とは 、eliminate
tariffs with no sanctuaryと変な英語になっている
Eliminate : 排除・除去
Tariffs : 関税[国際貿易]-
Sanctuary : 神聖な場所,聖所,聖域(サンクチュアリ)
我慢などしないで、日本国民は原発事故にもっと怒るべきだ。
福島原発で被災した住民が以下の報道のように国にと東電を相手に訴えた。
原発事故、住民350人が提訴へ 国と東電を相手に
http://www.asahi.com/national/update/0208/TKY201302080115.html
東京電力福島第一原発事故による放射能汚染で平穏に暮らす権利を侵害されたとして、福島県の被災者らが国と東電を相手取り、慰謝料などの支払いを求める訴訟を、東京、千葉、福島の各地裁で一斉に起こす。提訴日は、東日本大震災から2年となる3月11日の予定。原発事故をめぐって国を訴える集団訴訟は初めてとみられる。
原発被害救済千葉県弁護団によると、千葉の訴訟では、福島県の警戒区域から千葉県の柏市や流山市に避難した10世帯前後の住民が提訴を予定している。避難にかかった費用や2年分の生活費のほか、避難に伴う慰謝料などを計算して請求額を決めるという。
正直言って、この数字はかなり少ない。記事の中に書いてあるが、訴訟には参加したいが諸般の事由で大部分の人は参加していない。実際、何らかの被害を受けた住民は何十万人を下らない。訴訟の中身は生活費、慰謝料ということであるが、自分もその立場にいたら、当然参加しているだろう。この訴訟に続いて、続々と2次、3次、、、と訴訟が起こっていくことは自明である。
一度事故が起これば、何十万人の避難、またその損害賠償・補償、また40年,50年毎の廃炉費用が掛かる。その廃炉処理だけで10年程度は掛る。また、貯蔵プールに満杯となった核廃棄物を、十万年単位で管理しなくてはならない。人類がどうなっているかもわからない。この電力は、もはや商用電気とは言えない。一企業が100年、200年も保つとは言えない。結局、何世代後の子孫たちが、自分が使ってもいない核廃棄物を管理しなければならない。あり得ない話である。
これをどうして安い電力だなどと、平気な顔をして話すのか?正気の沙汰ではない。日本の将来に責任のある政治家なら、自ずと答えは同じになるはずである。しかし、自民党他原発を容認する政党は違う。そもそも自民党の原発政策の一番の理由は、核兵器をいつでも持てることを担保するためである。それを知っている石原氏が、核爆発のシミュレーションだけでも続けなければならないと述べているのは、その理由からである。恐ろしく高い電力ということは誰が考えてもわかる話で、それを経済活動の低下を妨げないように原発が必要というのは真っ赤な嘘であり、国民騙しである。これがわからない国民もバカというしかない。
野党の代表の中で、はっきりとその本質を述べているのは、生活の小沢代表と社民党の福島代表ぐらいである。特に小沢代表は、かつての出身党である自民党の原子力政策は誤っていたと自己反省を行っている。また福島原発の危険な状態を一番知っていると思っている。原発事故当初、メルトスルーした核物質が原子炉土台のコンクリ―トを溶かして、もう数十センチで地中に抜けると報道されたが、その後情報が全く出なくなったが、どうなっているのか?と話している。そのような情報は開示すべきと述べている。こんな事実を知っていて心配している政治家が、他にどこにいるかと問いたい。
維新の橋下代表は、当初関西電力に格好よく原発再稼働の反対を表明していたが腰砕け状態で、今や核爆発のシミュレーションをすべきという石原代表と同居している。維新の党としての方針もさっぱりわからない。人にはあれだけ噛みつくが、石原氏には頭が上がらないとしか思えない。
今回の訴訟もさることながら、検察当局が事情聴取している東電関係者、政府を含めた行政関係者の刑事訴訟がどうなるかで、日本の電力会社の経営者のマインド、政治家のマインドも変わってくる。刑事事件として起訴されないとしたら、例えどんな大きな原発事故を起こしても平気の平左で、どんな事故を起こしても国が弁済してくれて電力会社として生き残れる。しかも経営トップとして、せいぜい辞任して責任を取るぐらいとなる。
こんなことは許されない。日本の国民はもっと怒るべきである。原発を放置する政府は選挙で変えるしかない。
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