6月8、9日に全日本鍼灸学会学術大会が福岡県のアクロス福岡で開催されました。今回は筒井先生・古川先生・濱田先生・親父・僕の5名での参加となりました(宗岡先生・橋本先生・今井先生も個別で参加されていました)。古川先生の愛車クラウンに初めて乗り込みいざ出発!車中で流れ出した音楽は何とクラッシック!!ぶち優雅であります。T先生は早々に自前の缶ビールをオープン!朝ですよ?・・・実に優雅であります。気持ちも車も風のように流れていきました。あれだけのスピードを出していながら、車体は非常に安定。さすがクラウン。素晴らしい足回りです。走り屋万歳!!\(^皿^)/
ナイスな走りで「あっ!!」と言う間に会場に到着。本大会は、広い会場内のさまざまな場所で一般講演や症例発表などが行われており、どこを見渡しても人!人!!人!!!その多さに思わずキョロキョロ(@_@;)ぬぅ~!田舎モンをなめるなよ!とりあえず集合時間と場所を決めて、各々聞きたい講演を聞きに行くことに。僕は「脳卒中リハビリテーションの革新を目指す促通反復療法」を聞きに行きました。脳卒中で麻痺を起してしまった患者さんに対するリハビリの仕方で、ポイントとなることを話しておられました。今までのリハビリは単に他動運動のみ、つまり患者さんが全く意識していな状態でのリハビリがメインだったようです。それでは筋肉の硬縮を防ぐことはできても、麻痺の改善という面でみるとあまり良い効果は期待できないとのことでした。電気刺激を与え他動的に筋収縮を起こさせる場合でも同じで、患者さん自身が「今どこの筋肉を使ってどのように関節を動かしている。」という具体的な意識をしていなければあまり意味がないようです。残った神経細胞をいかに活動させるかが重要になってくるわけで、患者さん自身が「動かそう!」とすることによって興奮刺激が伝わり、それを繰り返すことによってシナプス伝達の効率がアップします。その結果、神経回路が強化され目的動作をすることにつながるのです。大事なのは施術者と患者さんが「実現すべき運動(どう動かすのか)」をはっきり理解・共有し自他動運動(施術者が患者さんの動きをサポートする)を反復すること。患者さん自身が具体的に意識しながらリハビリを行うことです。 鍼灸治療をするにしても「どこがどんな動きでどう痛むのか」と施術者と患者さんが痛みの情報を具体的に把握することで、術前術後の比較ができますし患者さんとしても納得しやすいです。治すのは施術者でなく患者さんの体です。患者さん自身が、自分の体に目を向け積極的に治療に関わろうとすることで、より良い治療効果が期待できるのではないでしょうか。僕たちはそのきっかけを作り、後ろからそっと支えてあげられるような存在であるべきだと考えます。
お昼ごはんは、会場の目の前にあった公園に一目惚れしたので、おにぎりとパンを買ってそこで食べることにしました。その公園はのんびりとくつろいでいる人も沢山いましたし、謎の外国人棒術遣いやハイパーヨーヨーの達人・ダンスをしながらリフティングをする人など、パフォーマー達の練習場所にもなっているようで、楽しい光景が広がっていました。更に運が良いことに、新郎新婦らしきカップルが記念撮影を行っていました。新婦さんは可愛らしいウェディングドレスに身を包み、新郎さんはビシッと決めて、2人ともニコニコしながら写真に納まっておりました。お幸せに~(^▽^)
清々しい気持ちで午後からの講演に。午後からは小児の発達障害と鍼灸の関わりについての講演を聞きに行きました。「発達障害」とは、社会性の発達が悪く、言語発達の障害・こだわり(固執)などがある自閉症、読字が苦手だったりする学習障害(LD)などを総称したものだそうです。・・・大なり小なり誰にでもあることなので病名をつけることが良いことなのかどうなのか・・・?完璧な人間なんて存在しないわけですから、ある意味みんな病人であり障害者なのかもしれませんね。“健常者”“障害者”の定義が僕にはわかりません。話がそれました。接するときは1人1人と向き合い、その子に合った接し方することが大切で、“自分”という小さな物差しで計り、はみ出したら怒るという育て方は親子共に悪影響です。怒られた子供はどうしたら良いかわからず、また同じことを繰り返し更に怒られ「どうして自分だけが・・・。」「どうせ自分なんか・・・。」という悪感情を抱き、結果鬱状態に陥ってしまうということにもつながります。怒ってしまった親も、イライラしてさまざまな症状が表れてきます。鍼灸師の立場からできることは、子供に対してというよりはその親に対してできることの方が多い印象を受けました。親が鍼灸治療を受けることで、身体的にも精神的にも余裕が生まれます。それによって子供への接し方が良い方に変わってくるのです。子供に落ち着きがない時は、夫婦喧嘩が頻繁にあったり暴言を吐き散らしたりと、親の落ち着きの無さが子供に反映している場合もあるそうです。もし「この子落ち着きがなくって・・・。」という子供さんが来られたら、付き添っている親御さんの状態も注意しておいたほうが良いかもしれません。ちょっと話に耳を傾けてあげるだけでも、ストレス発散になり心に余裕ができると思います。
この日の講演が終わり、他の先生方と合流してホテルへ。部屋に入ると驚きの狭さ(笑)まぁ寝るだけだしね(^_^;)晩御飯は地下鉄とJR線を乗り継いでアサヒビールの工場へ行きました。初めの1杯目がCMで拝見した-2℃のキンキンに冷えたスーパードライ!お酒が苦手な僕でも「あっ。おいしい。」と思いました。2口飲んで満足しましたが何か?焼き肉2時間食べ放題&飲み放題で「さぁ暴飲暴食じゃ~!!」と意気込んではみたものの、約30分で撃沈。頑張りました。その後は動かざること山の如し。激しくスローダウンして、談笑しながら肉をつんつん。「気品漂う我々は量ではなく質を求めるものである。」という結論に至り「次からは単品で頼もうね。」と言っておりました。妊娠2カ月前後の大きなお腹を抱え、夜の天神の街をぶらり旅・・・あっちをぶらぶら・・・こっちをぶらぶら・・・はははぁ~。迷った(T^T)結局1時間弱散歩してホテルに到着。程良く疲れて即バタンQ!といきたいところでしたが、なかなか睡魔が襲ってきません。ベッドの上でゴロゴロゴロゴロ。・・・こういう時はもがけばもがく程眠れないものです。寝不足の朝を迎え、ホテルの食堂で朝ご飯。\(◎o◎)/!!!うまい!!自家製の焼きたてパンもあり、ビジネスホテルとは思えない素敵な食事でした。これがあれば部屋の狭さ何か苦になりません。
ホテルを出てAM9:00から講演がスタートしました。僕は癌患者さんに携わっておられる先生方の話を聞きに行きました。「ファイナルステージを考える会」というボランティア団体がお医者さんや看護師さんと連携し、1人きりで閉じこもりがちな癌患者さんの精神的なケアをされているそうです。一緒に生け花をしたり、カップやお皿に模様をつけたり、掛かり付けのお医者さん同伴で屋久島に旅行に行ったりと、さまざまなイベントを定期的に行うことによって少しでも前向きな生活を送ってもらうことを目的としています。この会では「ハウトケア」という東洋医学の考え方を取り入れた独自のオイルマッサージも行っており、身体・心の痛みの緩和にも取り組んでいるそうです。こういった取り組みをするにあたって、医療従事者同志の連携が欠かせません。言わば医療チームですね。現在、そのチームの中に鍼灸師があまり介入できていないのが現状です。認知度・信頼度が低いとも言えます。この事に関して講演された先生方が改善策を挙げて下さいました。①ボランティア活動など行い認知度を高めていくこと②癌患者さんと直接接する時間が長い看護師さんと現場の情報を共有し東洋医学に親しみをもってもらうことによって、現場に東洋医学を取り入れてもらう。①はすでに鍼灸師会で行っている事ですが、②を聞いて「ほぉ~!」と思いました。看護師の友達と情報交換するのも面白そうですね!時間はかかると思いますが、鍼灸が理解され多くの人々の健康維持に重宝する時が来ると思います。小さなことからコツコツと。我々鍼灸師の使命は大なりです!
今大会で僕が興味を抱いた講演は、テクニック云々よりも“心”に重点を置いた話が多かったように思います。鍼灸師として、そして松本欣之という1人の日本人として何ができるかを再考する良い機会になりました。「病気を見るのではなく、病気を抱えたその“人”を診る」「身体に触れ、そして心の訴えに耳を傾けることが“鍼灸”である」素敵な職業ですね(^^)
大会終了後眠気が一気に襲ってきまして、帰りの車中の事はあまり記憶にございません。T先生が喜々として缶ビールとおつまみを手にして・・・、F先生がナビの音声ガイドとお喋りしていたような・・・(笑)いや~。優雅な2日間でありました。古川先生運転お疲れ様でした。機会があれば先生の庭(夜の中洲)を案内していただきたいものです(笑)今回も楽しい御縁に感謝です。本当にありがとうございました!!(^人^)
|